12月1日(土)、東京・科学技術館サイエンスホールにて、『機動戦士ガンダムSEED』がお届けするスペシャルトークライブ第3弾「SEED PARTY 2012 ~星空の集い~ PHASE-3.0」が開催された。
イベントは、ミリアリア・ハウ役の豊口めぐみさんを司会に、キラ・ヤマト役の保志総一朗氏、アスラン・ザラ役の石田 彰氏と福田己津央監督をゲストに迎え、恒例の機動戦士ガンダムSEED 名ゼリフランキングの結果発表やFINAL-PHASE、AFTER-PHASEの生コメンタリーが行われるなど、終始賑わいの絶えない大盛り上がりの一夜となった。
それではイベントの様子を早速レポートしていこう。
当日は、厳しい冷え込みにも関わらず、開場前から多くの来場者の熱気に溢れ、寒さを吹き飛ばすような賑わいがうかがえた。入場エリアや会場ロビー内には『機動戦士ガンダムSEED』のポスターがズラリと並び、多くの来場者が目を奪われていた。
また、来場者には、6月にGUNDAM Caféで開催された「Z.A.F.T.襲来フェア」の限定コースター4種と、キラとアスランそれぞれの名言がプリントされた「名セリフクッキー」がプレゼントされ、イベントへの期待が一層高まった。
ステージに司会の豊口めぐみさんが登壇し、「みなさん、こんばんは~!」と挨拶すると大歓声が響き、待望のイベントがスタート。「SEED PARTY 2012 ~星空の集い~」最後の夜を飾るに相応しい豪華ゲストを紹介し、「キラ・ヤマト」を演じる保志総一朗氏、「アスラン・ザラ」を演じる石田 彰氏、福田己津央監督が登場した。
「ついにキラとアスランが同じステージに揃いましたが、心境は?」との問いに、「リマスターの放送が終わって寂しいという気持ちと、石田さんとまた同じ舞台に立てて嬉しいという気持ちで、感慨深いです。」と保志氏。石田氏は、「今回のリマスターをきっかけにSEEDという作品自体やアスランと改めて真正面から向き合い、感慨深いというか、気恥ずかしいというか…懐かしさと共にかつて自分がこんなお芝居をしていたんだということを見つめなおせた良い機会になりました。」と答えた。
続いて、「SEED PARTYは今夜が最後の開催になりますが、前回、ご出演いただいた回を振り返ってみての感想は?」との問いに石田氏は、「困った時の保志くん頼みじゃないですけれど、保志くんがいない時ほどをいじらせてもらっています。」と答えた。保志氏も「僕も石田さんがいない場で、よく石田さんのこと持ち出して皆さんに喜んでもらっています!」と、お互いの意気投合ぶりに、会場は大きな笑いに包まれた。
最初のコーナーは、恒例の「機動戦士ガンダムSEED 名ゼリフランキング」の第3回 の結果発表を実施。
『機動戦士ガンダムSEED』 HDリマスター Blu-ray BOX 4に収録されているPHASE-39~FINAL-PHASEの中からファン投票により名ゼリフを選ぶという、大好評のこの企画。
10位から順にVTRとともに明かされる中、なんと第5位に選ばれたのは、PHASE-46「たましいの場所」より、アズラエルの「やったーーーーーーー!!」という名ゼリフ(迷ゼリフ?)。ゲスト一同は「なんでコレが上位に!?」と、驚きつつも観客は大盛り上がり。
第4位には、 PHASE-48 「怒りの日」より、アスランの「君は俺が守る」という、心奪われる名ゼリフがランクインした。豊口さん自ら「私はこっちで聴きます!(笑)」と、観客側に移動したところ、石田氏が豊口さんに向けて生アテレコを披露するという大サービス。石田氏は「やったーーーーー!より上で良かった~。」とオチも忘れず、観客を盛大に沸かせた。
第3位は、FINAL PHASE「終わらない明日へ」より、カガリの「生きるほうが戦いだ!!」というセリフ。緊迫した状況下でカガリの想いがアスランの背中を押すシーンには、誰もが手に汗を握ったことだろう。
そして第2位は、 PHASE-49「終末の光」より、ムウ「やっぱ俺って不可能を可能に…」というセリフ。なんとこのセリフ、「機動戦士ガンダムSEED 名ゼリフランキング」すべてにランクインしているほどの人気ぶり。前回のイベントでも、このセリフを5位以内に入れようという石田氏の提案で投票に勢いがつき、今回第2位まで昇りつめた。
そして、FINAL-PHASE「終わらない明日へ」より、キラの「それでも守りたい世界があるんだ!!」という名ゼリフが栄光の第1位に輝いた。心打たれるこの名ゼリフを、保志氏がVTRに乗せて迫真の熱演で披露し、キラの決意に会場に居る誰もが息を呑んだ。
続いて、「機動戦士ガンダムSEED 名ゼリフランキング」番外編として、ゲストが選んだ「機動戦士ガンダムSEED 名シーン」が発表された。
豊口さんが選んだシーンは、PHASE-49「終末の光」より、「アークエンジェルとドミニオンとの戦いで、ムウとナタルが撃たれるシーン」。選考の理由は「マリュー艦長達を守ったムウ、ナタルのシーンは何度見ても泣いてしまいます。しかも名ゼリフでランクインしたセリフが2つも詰まっていますね!」とのこと。
次に、石田氏が名シーンに選んだのは、PHASE-40「暁の宇宙へ」より、「ウズミとオーブ部隊の散り際」のシーン。
石田氏いわく、「このシーンは細かい描写に注目してほしくて、オーブに残ることを選んだ人たちは、みんな老人ばかりなんですよ。若い人、次の世代を継いでいける人たちは逃がしたということです。そのお話を収録の時に伺って、我が子らを守ったウズミさん達に強い感銘を受けたんです。…が、実際映像になってこのシーンを改めて見た時に、オーブに残ったウズミさんの後ろにいた人達は…そこまで老けていなかったということに気付いてしまいました(笑)。」
それまで石田氏の話に深く聞き入っていた会場も、石田氏のするどい着目には敵わず、一気に笑いを広げた。 豊口さんは「きっと、画面の見切れてるところにたくさん老人が居たのかもしれない!ウズミさん達のように、わたし達も良い国を作りましょう!」とまとめた。
続いて、保志氏が名シーンに選んだのは、PHASE-39「アスラン」より、「アスランがキラを援護し、共に戦うシーン」。
保志氏は「実はこれ、ちょっとした行き違いで…、僕が選んでいないのです(笑)。どうやら、『ゲストが選ぶ名シーン』という情報が行き違い、『オーディオコメンタリーでやりたい話』として僕に伝わってしまったようで、僕は『キラとアスランが絡む話が良い!』とリクエストしたら、このシーンになりました。」とハプニングを冗談交じりにカミングアウト。
「実際、僕はこの辺のシーンを選んでいたんですよ!でもちょっと惜しい!本当は次の話の、PHASE-40「暁の宇宙へ」のラストシーンのところだったんです!」と語った。
最後に、福田監督が名シーンに選んだのは、PHASE-46「たましいの場所」より、「キラとラクスのシーン」。
福田監督いわく、「本当はFINAL-PHASE「終わらない明日へ」のフレイが死ぬシーンにしようか迷ったけど、こっちの方が絶対に誰も選ばないと思ったから(笑)。」 石田氏も「良いシーンですよね。」と語った。
さらに、休憩を挟んで行われた、『機動戦士ガンダムSEED HDリマスター』のFINAL-PHASE「終わらない明日へ」とAFTER PHASE「星のはざまで」の生コメンタリーが行われた。
オープニングが始まり、「Realize」が流れ出すと曲に合わせて冒頭を豊口さんが歌唱するという大サービスに、観客は大盛り上がり。手拍子を乗せ、ライブイベントのような一瞬を楽しんだ。
福田監督からは、「フレイが死んでしまった後、キラに話しかけているシーンで光が射してくるエフェクトなどは、HDリマスターになることで画面サイズが変わり1段階広くフレームを取る必要があるので、細部まで作り直した。」と語った。なんと撮影監督が自ら撮り直しを行うなど、この話で1番こだわったシーンだという。更に、「このフレイとキラの掛け合いのシーンは、実際キラにはフレイの声は届いていないんだよ。フレイの声に応答しているように見せているが、キラには聞こえてない。」との話に、ゲスト一同も「そうだったんですか!」と驚愕。監督いわく、「だってフレイの姿が見えて、声が聞こえちゃったら、キラが救われてしまうじゃない。」とのこと。石田氏の「そのためのシーンではなかったのですか?」との問いに福田監督は、「キラにはフレイの死も背負って生きてもらわなきゃいけないからね。」と語った。豊口さんの「キラを救うのは、ラクスですしね。」との言葉に、会場一同も納得。
更に福田監督は、「このフレイの場面に使っている音楽は、このシーンのために作っていて、尺をほとんどぴったりと合わせているので曲をカット編集などしていない。映画のサントラと同じやり方ですね。」とコメントした。
そして、いよいよラストシーンのエンディングで「FIND THE WAY」が流れ出し、またもや豊口さんが1フレーズだけ歌唱。この曲はカラオケでも十八番とのこと。
ラストシーンについて福田監督いわく、「当時はスキャナーもなくて、宇宙の背景はデジタルカメラで撮影していたんだけど、今回のリマスターにあたってはデジタルで作り直したんだよ。昔の背景はアナログの筆で描いているので、結構細かいキズが入っていたりする。」との裏話も披露した。 さらに「最終シーンの宇宙空間でアスランがキラに向かって行く描写は、当時の映像だとトリィに隠れてしまっていたが、今回ちゃんと見えるように直した。」と、最後の最後までこだわりを籠めて仕上げたエピソードを語った。
続いて、AFTER-PHASE「星のはざまで」の生コメンタリーでも福田監督は、「HDリマスターで画面がクリアに見えるようになる分、細かいところをより修正した。料理が並ぶシーンでは、ニンジンがニンジンに見えるよう質感を直したり、鍋の底の色ひとつすら修正したり。流星が降るカットも、青く光ってから赤くなって消えてゆく部分をこだわったけど、一見では速過ぎて分からないかな(笑)。分かりやすいところでいえば、イザークの軍服は次のシリーズに繋げるためにハッキリ変えました。」と、全体的にクオリティを追求した貴重な裏話を披露した。石田氏も「言われなければ、気付かなかったかもしれませんでした!」と驚きの様子だ。
さらに福田監督が最後まで変えようか悩んだのが、キラとアスランが砂浜から家に戻るシーンとのこと。福田監督は「なんでアスランはわざわざキラの正面に回ってからキラの肩に手を置く必要があったんだと(笑)。ホモくさい!って突っ込みを入れたんだけどね。変えるのはやめておきました。」と冗談交じりに語り、会場は大きな笑いに包まれた。
配信の最後は、石田 彰氏と福田監督、保志総一朗氏による、来場者と配信視聴者へ向けたコメントによって締めくくられた。
保志総一朗(キラ・ヤマト役)
「『ガンダムSEED』としては、もしかしたらこれが最後のイベントかもしれないと思うと寂しい気持ちもありますが、こうして皆さんと再び『ガンダムSEED』を感じ合うことができたことに感謝します。今となっても当時のキラのセリフを言うことが出来るなんて、そういうキャラは他にいないですよ。幸せなことです。HDリマスターもまるで新番組のように綺麗になっていて、一視聴者としても改めて楽しむことができて嬉しく思っています。『ガンダムSEED』に関われて幸せです!SEEDプロジェクトは今後も続くと思うので、また皆さんとこういう時間を共有できたらと思います!」
石田 彰(アスラン・ザラ役)
「いよいよ、最後まできたなという感じがします。当時のオンエアから10年も経っているのに、これだけの支持をいただいていて、皆さんの『ガンダムSEED』に対する想いがHDリマスター化やイベントの開催に繋がり、不可能を可能にしたのだと思っています。このような作品に携われたことが本当に幸せだと再確認しました。本日は本当に皆様ありがとうございました。次はデスティニーです!ご期待ください!」
福田己津央(監督)
「心残りは無く出来上がったなと思っています。どの場面をこうしよう、ああしようと実行してゆくうちに、ただ映像を綺麗にするだけではなく、今まで見逃していた細かな部分もどんどん修正し、最終的には全然違うものに見えるようになりました。皆さんの応援があったからこういうこともできました。本当に作品冥利に尽きると思います。今日のイベントは400名ほどの会場ですが、なんと5倍以上の応募があったみたいです。その人気に感謝します。10年越しのありがとうを伝えたいです。皆さん、ありがとうございました。」
配信終了後は、来場者への特別プレゼント抽選がスタート。保志氏、石田氏、福田監督によるくじ引きで豪華アイテムがプレゼントされた。今回も、『機動戦士 ガンダムSEED』放送当時に監督が使用していた台本が、なんと総勢12名に監督自ら手渡しでプレゼントされるという大盤振る舞いだった。
そして「SEED PARTY 2012 ~星空の集い~ PHASE-3.0」は、笑顔と感動にあふれ大盛況のうちに幕を閉じた。
最終巻となる「機動戦士ガンダムSEED HDリマスター Blu-ray BOX 4」はいよいよ2012年12月21日(金)発売!
更に、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のHDリマスタープロジェクトの始動や、SEEDシリーズ初のOVA『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER-』のBlu-rayが2013年3月22日(金)に発売されることも発表された。
HDリマスタープロジェクトでより美しくなったSEEDシリーズをぜひとも楽しもう!
イベントは、ミリアリア・ハウ役の豊口めぐみさんを司会に、キラ・ヤマト役の保志総一朗氏、アスラン・ザラ役の石田 彰氏と福田己津央監督をゲストに迎え、恒例の機動戦士ガンダムSEED 名ゼリフランキングの結果発表やFINAL-PHASE、AFTER-PHASEの生コメンタリーが行われるなど、終始賑わいの絶えない大盛り上がりの一夜となった。
それではイベントの様子を早速レポートしていこう。
当日は、厳しい冷え込みにも関わらず、開場前から多くの来場者の熱気に溢れ、寒さを吹き飛ばすような賑わいがうかがえた。入場エリアや会場ロビー内には『機動戦士ガンダムSEED』のポスターがズラリと並び、多くの来場者が目を奪われていた。
また、来場者には、6月にGUNDAM Caféで開催された「Z.A.F.T.襲来フェア」の限定コースター4種と、キラとアスランそれぞれの名言がプリントされた「名セリフクッキー」がプレゼントされ、イベントへの期待が一層高まった。
ステージに司会の豊口めぐみさんが登壇し、「みなさん、こんばんは~!」と挨拶すると大歓声が響き、待望のイベントがスタート。「SEED PARTY 2012 ~星空の集い~」最後の夜を飾るに相応しい豪華ゲストを紹介し、「キラ・ヤマト」を演じる保志総一朗氏、「アスラン・ザラ」を演じる石田 彰氏、福田己津央監督が登場した。
「ついにキラとアスランが同じステージに揃いましたが、心境は?」との問いに、「リマスターの放送が終わって寂しいという気持ちと、石田さんとまた同じ舞台に立てて嬉しいという気持ちで、感慨深いです。」と保志氏。石田氏は、「今回のリマスターをきっかけにSEEDという作品自体やアスランと改めて真正面から向き合い、感慨深いというか、気恥ずかしいというか…懐かしさと共にかつて自分がこんなお芝居をしていたんだということを見つめなおせた良い機会になりました。」と答えた。
続いて、「SEED PARTYは今夜が最後の開催になりますが、前回、ご出演いただいた回を振り返ってみての感想は?」との問いに石田氏は、「困った時の保志くん頼みじゃないですけれど、保志くんがいない時ほどをいじらせてもらっています。」と答えた。保志氏も「僕も石田さんがいない場で、よく石田さんのこと持ち出して皆さんに喜んでもらっています!」と、お互いの意気投合ぶりに、会場は大きな笑いに包まれた。
最初のコーナーは、恒例の「機動戦士ガンダムSEED 名ゼリフランキング」の第3回 の結果発表を実施。
『機動戦士ガンダムSEED』 HDリマスター Blu-ray BOX 4に収録されているPHASE-39~FINAL-PHASEの中からファン投票により名ゼリフを選ぶという、大好評のこの企画。
10位から順にVTRとともに明かされる中、なんと第5位に選ばれたのは、PHASE-46「たましいの場所」より、アズラエルの「やったーーーーーーー!!」という名ゼリフ(迷ゼリフ?)。ゲスト一同は「なんでコレが上位に!?」と、驚きつつも観客は大盛り上がり。
第4位には、 PHASE-48 「怒りの日」より、アスランの「君は俺が守る」という、心奪われる名ゼリフがランクインした。豊口さん自ら「私はこっちで聴きます!(笑)」と、観客側に移動したところ、石田氏が豊口さんに向けて生アテレコを披露するという大サービス。石田氏は「やったーーーーー!より上で良かった~。」とオチも忘れず、観客を盛大に沸かせた。
第3位は、FINAL PHASE「終わらない明日へ」より、カガリの「生きるほうが戦いだ!!」というセリフ。緊迫した状況下でカガリの想いがアスランの背中を押すシーンには、誰もが手に汗を握ったことだろう。
そして第2位は、 PHASE-49「終末の光」より、ムウ「やっぱ俺って不可能を可能に…」というセリフ。なんとこのセリフ、「機動戦士ガンダムSEED 名ゼリフランキング」すべてにランクインしているほどの人気ぶり。前回のイベントでも、このセリフを5位以内に入れようという石田氏の提案で投票に勢いがつき、今回第2位まで昇りつめた。
そして、FINAL-PHASE「終わらない明日へ」より、キラの「それでも守りたい世界があるんだ!!」という名ゼリフが栄光の第1位に輝いた。心打たれるこの名ゼリフを、保志氏がVTRに乗せて迫真の熱演で披露し、キラの決意に会場に居る誰もが息を呑んだ。
続いて、「機動戦士ガンダムSEED 名ゼリフランキング」番外編として、ゲストが選んだ「機動戦士ガンダムSEED 名シーン」が発表された。
豊口さんが選んだシーンは、PHASE-49「終末の光」より、「アークエンジェルとドミニオンとの戦いで、ムウとナタルが撃たれるシーン」。選考の理由は「マリュー艦長達を守ったムウ、ナタルのシーンは何度見ても泣いてしまいます。しかも名ゼリフでランクインしたセリフが2つも詰まっていますね!」とのこと。
次に、石田氏が名シーンに選んだのは、PHASE-40「暁の宇宙へ」より、「ウズミとオーブ部隊の散り際」のシーン。
石田氏いわく、「このシーンは細かい描写に注目してほしくて、オーブに残ることを選んだ人たちは、みんな老人ばかりなんですよ。若い人、次の世代を継いでいける人たちは逃がしたということです。そのお話を収録の時に伺って、我が子らを守ったウズミさん達に強い感銘を受けたんです。…が、実際映像になってこのシーンを改めて見た時に、オーブに残ったウズミさんの後ろにいた人達は…そこまで老けていなかったということに気付いてしまいました(笑)。」
それまで石田氏の話に深く聞き入っていた会場も、石田氏のするどい着目には敵わず、一気に笑いを広げた。 豊口さんは「きっと、画面の見切れてるところにたくさん老人が居たのかもしれない!ウズミさん達のように、わたし達も良い国を作りましょう!」とまとめた。
続いて、保志氏が名シーンに選んだのは、PHASE-39「アスラン」より、「アスランがキラを援護し、共に戦うシーン」。
保志氏は「実はこれ、ちょっとした行き違いで…、僕が選んでいないのです(笑)。どうやら、『ゲストが選ぶ名シーン』という情報が行き違い、『オーディオコメンタリーでやりたい話』として僕に伝わってしまったようで、僕は『キラとアスランが絡む話が良い!』とリクエストしたら、このシーンになりました。」とハプニングを冗談交じりにカミングアウト。
「実際、僕はこの辺のシーンを選んでいたんですよ!でもちょっと惜しい!本当は次の話の、PHASE-40「暁の宇宙へ」のラストシーンのところだったんです!」と語った。
最後に、福田監督が名シーンに選んだのは、PHASE-46「たましいの場所」より、「キラとラクスのシーン」。
福田監督いわく、「本当はFINAL-PHASE「終わらない明日へ」のフレイが死ぬシーンにしようか迷ったけど、こっちの方が絶対に誰も選ばないと思ったから(笑)。」 石田氏も「良いシーンですよね。」と語った。
さらに、休憩を挟んで行われた、『機動戦士ガンダムSEED HDリマスター』のFINAL-PHASE「終わらない明日へ」とAFTER PHASE「星のはざまで」の生コメンタリーが行われた。
オープニングが始まり、「Realize」が流れ出すと曲に合わせて冒頭を豊口さんが歌唱するという大サービスに、観客は大盛り上がり。手拍子を乗せ、ライブイベントのような一瞬を楽しんだ。
福田監督からは、「フレイが死んでしまった後、キラに話しかけているシーンで光が射してくるエフェクトなどは、HDリマスターになることで画面サイズが変わり1段階広くフレームを取る必要があるので、細部まで作り直した。」と語った。なんと撮影監督が自ら撮り直しを行うなど、この話で1番こだわったシーンだという。更に、「このフレイとキラの掛け合いのシーンは、実際キラにはフレイの声は届いていないんだよ。フレイの声に応答しているように見せているが、キラには聞こえてない。」との話に、ゲスト一同も「そうだったんですか!」と驚愕。監督いわく、「だってフレイの姿が見えて、声が聞こえちゃったら、キラが救われてしまうじゃない。」とのこと。石田氏の「そのためのシーンではなかったのですか?」との問いに福田監督は、「キラにはフレイの死も背負って生きてもらわなきゃいけないからね。」と語った。豊口さんの「キラを救うのは、ラクスですしね。」との言葉に、会場一同も納得。
更に福田監督は、「このフレイの場面に使っている音楽は、このシーンのために作っていて、尺をほとんどぴったりと合わせているので曲をカット編集などしていない。映画のサントラと同じやり方ですね。」とコメントした。
そして、いよいよラストシーンのエンディングで「FIND THE WAY」が流れ出し、またもや豊口さんが1フレーズだけ歌唱。この曲はカラオケでも十八番とのこと。
ラストシーンについて福田監督いわく、「当時はスキャナーもなくて、宇宙の背景はデジタルカメラで撮影していたんだけど、今回のリマスターにあたってはデジタルで作り直したんだよ。昔の背景はアナログの筆で描いているので、結構細かいキズが入っていたりする。」との裏話も披露した。 さらに「最終シーンの宇宙空間でアスランがキラに向かって行く描写は、当時の映像だとトリィに隠れてしまっていたが、今回ちゃんと見えるように直した。」と、最後の最後までこだわりを籠めて仕上げたエピソードを語った。
続いて、AFTER-PHASE「星のはざまで」の生コメンタリーでも福田監督は、「HDリマスターで画面がクリアに見えるようになる分、細かいところをより修正した。料理が並ぶシーンでは、ニンジンがニンジンに見えるよう質感を直したり、鍋の底の色ひとつすら修正したり。流星が降るカットも、青く光ってから赤くなって消えてゆく部分をこだわったけど、一見では速過ぎて分からないかな(笑)。分かりやすいところでいえば、イザークの軍服は次のシリーズに繋げるためにハッキリ変えました。」と、全体的にクオリティを追求した貴重な裏話を披露した。石田氏も「言われなければ、気付かなかったかもしれませんでした!」と驚きの様子だ。
さらに福田監督が最後まで変えようか悩んだのが、キラとアスランが砂浜から家に戻るシーンとのこと。福田監督は「なんでアスランはわざわざキラの正面に回ってからキラの肩に手を置く必要があったんだと(笑)。ホモくさい!って突っ込みを入れたんだけどね。変えるのはやめておきました。」と冗談交じりに語り、会場は大きな笑いに包まれた。
配信の最後は、石田 彰氏と福田監督、保志総一朗氏による、来場者と配信視聴者へ向けたコメントによって締めくくられた。
保志総一朗(キラ・ヤマト役)
「『ガンダムSEED』としては、もしかしたらこれが最後のイベントかもしれないと思うと寂しい気持ちもありますが、こうして皆さんと再び『ガンダムSEED』を感じ合うことができたことに感謝します。今となっても当時のキラのセリフを言うことが出来るなんて、そういうキャラは他にいないですよ。幸せなことです。HDリマスターもまるで新番組のように綺麗になっていて、一視聴者としても改めて楽しむことができて嬉しく思っています。『ガンダムSEED』に関われて幸せです!SEEDプロジェクトは今後も続くと思うので、また皆さんとこういう時間を共有できたらと思います!」
石田 彰(アスラン・ザラ役)
「いよいよ、最後まできたなという感じがします。当時のオンエアから10年も経っているのに、これだけの支持をいただいていて、皆さんの『ガンダムSEED』に対する想いがHDリマスター化やイベントの開催に繋がり、不可能を可能にしたのだと思っています。このような作品に携われたことが本当に幸せだと再確認しました。本日は本当に皆様ありがとうございました。次はデスティニーです!ご期待ください!」
福田己津央(監督)
「心残りは無く出来上がったなと思っています。どの場面をこうしよう、ああしようと実行してゆくうちに、ただ映像を綺麗にするだけではなく、今まで見逃していた細かな部分もどんどん修正し、最終的には全然違うものに見えるようになりました。皆さんの応援があったからこういうこともできました。本当に作品冥利に尽きると思います。今日のイベントは400名ほどの会場ですが、なんと5倍以上の応募があったみたいです。その人気に感謝します。10年越しのありがとうを伝えたいです。皆さん、ありがとうございました。」
配信終了後は、来場者への特別プレゼント抽選がスタート。保志氏、石田氏、福田監督によるくじ引きで豪華アイテムがプレゼントされた。今回も、『機動戦士 ガンダムSEED』放送当時に監督が使用していた台本が、なんと総勢12名に監督自ら手渡しでプレゼントされるという大盤振る舞いだった。
そして「SEED PARTY 2012 ~星空の集い~ PHASE-3.0」は、笑顔と感動にあふれ大盛況のうちに幕を閉じた。
最終巻となる「機動戦士ガンダムSEED HDリマスター Blu-ray BOX 4」はいよいよ2012年12月21日(金)発売!
更に、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のHDリマスタープロジェクトの始動や、SEEDシリーズ初のOVA『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER-』のBlu-rayが2013年3月22日(金)に発売されることも発表された。
HDリマスタープロジェクトでより美しくなったSEEDシリーズをぜひとも楽しもう!
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