▲富野由悠季総監督、寿 美菜子さん、石井マークさん、嶋村 侑さん、佐藤拓也さん
8月5日(金)より全国ロードショー中の劇場版『Gのレコンギスタ V』「死線を越えて」の公開を記念した舞台挨拶が、本日8月13日(土)、東京・新宿ピカデリーで開催された。
舞台挨拶には、富野由悠季総監督をはじめ、ベルリ・ゼナム役の石井マークさん、アイーダ・スルガン役の嶋村 侑さん、ノレド・ナグ役の寿 美菜子さん、マスク役の佐藤拓也さんが登壇。司会進行は綾見優希さんが務めた。
台風8号が関東に迫るなか多くの観客が駆け付け、登壇者が語る『Gのレコンギスタ』への想いや、TVシリーズから足掛け8年という長期間のなかで起きたエピソードに注意深く耳を傾けていた。
また、富野監督が『G-レコ』で描きたかったテーマが現実となる場面もあったので、早速レポートをお届けしていこう。
舞台挨拶には、富野由悠季総監督をはじめ、ベルリ・ゼナム役の石井マークさん、アイーダ・スルガン役の嶋村 侑さん、ノレド・ナグ役の寿 美菜子さん、マスク役の佐藤拓也さんが登壇。司会進行は綾見優希さんが務めた。
台風8号が関東に迫るなか多くの観客が駆け付け、登壇者が語る『Gのレコンギスタ』への想いや、TVシリーズから足掛け8年という長期間のなかで起きたエピソードに注意深く耳を傾けていた。
また、富野監督が『G-レコ』で描きたかったテーマが現実となる場面もあったので、早速レポートをお届けしていこう。
劇場版『Gのレコンギスタ V』公開記念舞台挨拶イベントレポート
入場時、客席からの大きな拍手に包まれ、笑顔で手を振り応える登壇者たち。初めの自己紹介でも、『G-レコ』の舞台挨拶は今回でひと区切りとなることに触れた寿さんが「すでに胸がいっぱいです」と瞳を潤ませる。富野監督も第5部で『G-レコ』は完結するとしながら、「これは“レコンギスタ”なんです。物語はこれから始まります。見てくださった方の記憶は、これから50年間は『G-レコ』に縛られることを保証します」と、第5部のキャッチコピー「ここから始まる『Gのレコンギスタ』!」にも繋がる宣言をしていた。
第5部が公開された今の気持ちを問われた石井さんは、『G-レコ』を通じて今までになかった意識や考え方が芽生え、生き方にも影響を受けたと明かす。嶋村さんは、この8年間で自分自身も成長し、世界も大きく変化したことで、『G-レコ』を見て8年前に感じたことと今感じることは違ってきたと振り返り、その変化が証明している通り「『G-レコ』は長く愛される作品だな」と実感を持ったと語った。寿さんと佐藤さんも異口同音に、本作で10年近い歳月を積み重ねてきたことに触れ、ファンへ感謝の気持ちを述べる。
また、富野監督は、自分自身が“ガンダム離れ”をしなければならないと考えながら『G-レコ』を作り始めた時に、従来のガンダムファンだけでなく、新しい世代の観客が背中を押してくれたことで作品が完成し、さらに「50年くらいは持つだろう、と思えるようになったのはファンの皆さんのおかげ」と、新たな出会いに大きな喜びを表していた。
続いてキャスト陣へ、TVシリーズから足掛け8年という長期間のなかで印象に残っているエピソードを問われると、嶋村さんは、TVシリーズの収録をしていた頃に富野監督が「赤ちゃんが泣いているのを周りの人々が受け入れているようなシーンを作りたい」と話していたことを明かし、その上で、今回の1回目の舞台挨拶(注:本レポートは2回目の舞台挨拶を取材しています)の観客席で、小さな赤ちゃんが声をあげた時に周囲の人々がとても温かく見守っていたことを挙げる。「もしかしてこのシーン…監督の描きたかったことが、現実に劇場版『G-レコ』の観客席の中で起こっているの!?」と感じたという。
富野監督も自身の発言をよく記憶しており、徹底的に考えていたと振り返る。具体的には、『G-レコ』のストーリーの初めの方、宇宙に上がっていくクラウンの中で、泣いている赤ちゃんの横に、それを全く気にかけないおじさんを配置したことを例にとる。「ベルリたちの物語が始まる千年くらい前に、人類はほとんど絶滅するような経験をしています。作中に出てくる人々はその恐怖を知っているので、赤ちゃんがギャアギャア泣いているのを見た時に、怒鳴ったりせず、“ああ、次の子たちが育っているんだ”と思えるような心を持った人類になっている、と設定しました」と明かす。そして、これこそ本作のテーマであり、劇場版第5部における最後の戦闘が終了した後のシーンへと繋がっているのだと語っていた。
寿さんが印象深かったのはオーディション。富野監督に「可愛くなくて良いんです。今のあなたが持っている声で演じて欲しい」と言われたことを挙げる。富野監督は、女性の全員が、男性が可愛いと思いがちな“好まれそうなタイプ”というわけではなく、様々な人間がいることで世代が繋がってきたとし、「そういうことを、男はそろそろきちんと分かれよ!」と客席に渇を入れる。
佐藤さんはTVシリーズ最終話のアフレコでのエピソードを披露。「ルインは(ズタボロに負けたのに)なんでこんなに清々しくいられるんだろう?」と考えていたそうだが、アフレコの際、『G-レコ』作中同様、マニィ・アンバサダ役の高垣彩陽さんが「はいこれ、スープ」と、缶のコーンスープを手渡してくれた時に「あれだけ全力でやって敗れたのだし、今隣にいる人が温かいものをくれるのだという現実が何よりも尊い」と気づいたことを思い出していた。
石井さんもオーディションを挙げるが、自分なりに準備万端で挑んだものの何が正解かわからず、また合格した後もベテランに囲まれ、富野作品の主人公を演じる重圧もあってパニックになったという。石井さん自身「現場に行くのが怖くなってしまった」と振り返るが、劇場版第3部のころに自分がガラッと変わったと感じ、富野監督もその感性に期待して石井さんを選んだのだと語る。「だからこそ、ベルリは完結のところでああいうキャラクターになったんです(笑)」と、石井さんの声と演技がキャラクターの生き様を左右したと明かしていた。
「『G-レコ』が完結した今、したいことは?」と尋ねられた富野監督は「世界一周旅行」と即答。作中に登場するアマゾン川の上流やギアナ高地に行けず、その場の空気感を知らないまま作るしかなかったことが本当に悔しいと語る。「やはり物を作る人間は世界一周くらいしておかなければいけない」とし、「皆さん方、身体が使えるうちに世界旅行しておいてください。人生において損はしません」と投げかけていた。
最後に、富野監督からコメントがあり、いつまでも止まない温かな拍手の中、舞台挨拶は幕を下ろした。
「こんなお天気になってしまって“すみません”。と言うのは、晴れ男を自認しておりますけれども、台風を退けられなくてご迷惑をおかけしております。皆さん方が、次の新しい時代を開くような作品を創ったり、お仕事をなさってくれることを期待します。そのためには、『Gのレコンギスタ』という作品は無駄ではなかったんじゃないのかという自惚れもございます。この自惚れがあるからこそ、今日こういう所へ恥ずかしげもなく立っております。本当に今日はご来場いただきまして、ありがとうございました」
劇場版『Gのレコンギスタ V』「死線を越えて」は、全国の劇場で大ヒット上映中。まだ見ていない人はぜひとも劇場へ足を運んで、物語の完結と始まりを自分の目で確かめてみよう。
第5部が公開された今の気持ちを問われた石井さんは、『G-レコ』を通じて今までになかった意識や考え方が芽生え、生き方にも影響を受けたと明かす。嶋村さんは、この8年間で自分自身も成長し、世界も大きく変化したことで、『G-レコ』を見て8年前に感じたことと今感じることは違ってきたと振り返り、その変化が証明している通り「『G-レコ』は長く愛される作品だな」と実感を持ったと語った。寿さんと佐藤さんも異口同音に、本作で10年近い歳月を積み重ねてきたことに触れ、ファンへ感謝の気持ちを述べる。
また、富野監督は、自分自身が“ガンダム離れ”をしなければならないと考えながら『G-レコ』を作り始めた時に、従来のガンダムファンだけでなく、新しい世代の観客が背中を押してくれたことで作品が完成し、さらに「50年くらいは持つだろう、と思えるようになったのはファンの皆さんのおかげ」と、新たな出会いに大きな喜びを表していた。
続いてキャスト陣へ、TVシリーズから足掛け8年という長期間のなかで印象に残っているエピソードを問われると、嶋村さんは、TVシリーズの収録をしていた頃に富野監督が「赤ちゃんが泣いているのを周りの人々が受け入れているようなシーンを作りたい」と話していたことを明かし、その上で、今回の1回目の舞台挨拶(注:本レポートは2回目の舞台挨拶を取材しています)の観客席で、小さな赤ちゃんが声をあげた時に周囲の人々がとても温かく見守っていたことを挙げる。「もしかしてこのシーン…監督の描きたかったことが、現実に劇場版『G-レコ』の観客席の中で起こっているの!?」と感じたという。
富野監督も自身の発言をよく記憶しており、徹底的に考えていたと振り返る。具体的には、『G-レコ』のストーリーの初めの方、宇宙に上がっていくクラウンの中で、泣いている赤ちゃんの横に、それを全く気にかけないおじさんを配置したことを例にとる。「ベルリたちの物語が始まる千年くらい前に、人類はほとんど絶滅するような経験をしています。作中に出てくる人々はその恐怖を知っているので、赤ちゃんがギャアギャア泣いているのを見た時に、怒鳴ったりせず、“ああ、次の子たちが育っているんだ”と思えるような心を持った人類になっている、と設定しました」と明かす。そして、これこそ本作のテーマであり、劇場版第5部における最後の戦闘が終了した後のシーンへと繋がっているのだと語っていた。
寿さんが印象深かったのはオーディション。富野監督に「可愛くなくて良いんです。今のあなたが持っている声で演じて欲しい」と言われたことを挙げる。富野監督は、女性の全員が、男性が可愛いと思いがちな“好まれそうなタイプ”というわけではなく、様々な人間がいることで世代が繋がってきたとし、「そういうことを、男はそろそろきちんと分かれよ!」と客席に渇を入れる。
佐藤さんはTVシリーズ最終話のアフレコでのエピソードを披露。「ルインは(ズタボロに負けたのに)なんでこんなに清々しくいられるんだろう?」と考えていたそうだが、アフレコの際、『G-レコ』作中同様、マニィ・アンバサダ役の高垣彩陽さんが「はいこれ、スープ」と、缶のコーンスープを手渡してくれた時に「あれだけ全力でやって敗れたのだし、今隣にいる人が温かいものをくれるのだという現実が何よりも尊い」と気づいたことを思い出していた。
石井さんもオーディションを挙げるが、自分なりに準備万端で挑んだものの何が正解かわからず、また合格した後もベテランに囲まれ、富野作品の主人公を演じる重圧もあってパニックになったという。石井さん自身「現場に行くのが怖くなってしまった」と振り返るが、劇場版第3部のころに自分がガラッと変わったと感じ、富野監督もその感性に期待して石井さんを選んだのだと語る。「だからこそ、ベルリは完結のところでああいうキャラクターになったんです(笑)」と、石井さんの声と演技がキャラクターの生き様を左右したと明かしていた。
「『G-レコ』が完結した今、したいことは?」と尋ねられた富野監督は「世界一周旅行」と即答。作中に登場するアマゾン川の上流やギアナ高地に行けず、その場の空気感を知らないまま作るしかなかったことが本当に悔しいと語る。「やはり物を作る人間は世界一周くらいしておかなければいけない」とし、「皆さん方、身体が使えるうちに世界旅行しておいてください。人生において損はしません」と投げかけていた。
最後に、富野監督からコメントがあり、いつまでも止まない温かな拍手の中、舞台挨拶は幕を下ろした。
「こんなお天気になってしまって“すみません”。と言うのは、晴れ男を自認しておりますけれども、台風を退けられなくてご迷惑をおかけしております。皆さん方が、次の新しい時代を開くような作品を創ったり、お仕事をなさってくれることを期待します。そのためには、『Gのレコンギスタ』という作品は無駄ではなかったんじゃないのかという自惚れもございます。この自惚れがあるからこそ、今日こういう所へ恥ずかしげもなく立っております。本当に今日はご来場いただきまして、ありがとうございました」
劇場版『Gのレコンギスタ V』「死線を越えて」は、全国の劇場で大ヒット上映中。まだ見ていない人はぜひとも劇場へ足を運んで、物語の完結と始まりを自分の目で確かめてみよう。
(ガンダムインフォ編集部)
【タイトル・公開日】
・劇場版『Gのレコンギスタ IV』「激闘に叫ぶ愛」:2022年7月22日(金)より全国ロードショー中
・劇場版『Gのレコンギスタ V』「死線を越えて」:2022年8月5日(金)より全国ロードショー中
【メインスタッフ】
総監督・脚本:富野由悠季
原作:矢立 肇、富野由悠季
演出:吉沢俊一(IV、V)、進藤陽平(IV)
キャラクターデザイン:吉田健一
メカニカルデザイン:安田 朗、形部一平、山根公利
デザインワークス:コヤマシゲト、西村キヌ、剛田チーズ、内田パブロ、沙倉拓実、倉島亜由美、桑名郁朗、中谷誠一
美術監督:岡田有章、佐藤 歩
色彩設計:水田信子
ディスプレイデザイン:青木 隆
CGディレクター:藤江智洋
撮影監督:脇 顯太朗
編集:今井大介
音楽:菅野祐悟
音響監督:木村絵理子
企画・制作:サンライズ
製作・配給:バンダイナムコフィルムワークス
劇場版『Gのレコンギスタ』テーマソングアーティスト:DREAMS COME TRUE
エンディングテーマ:ハセガワダイスケ「カラーリング バイ G-レコ」
【メインキャスト】
ベルリ・ゼナム:石井マーク
アイーダ・スルガン:嶋村 侑
ノレド・ナグ:寿美菜子
マスク:佐藤拓也
クリム・ニック:逢坂良太
マニィ・アンバサダ:高垣彩陽
ラライヤ・マンディ:福井裕佳梨
ミック・ジャック:鶏冠井美智子
バララ・ペオール:中原麻衣
キア・ムベッキ:中井和哉
クン・スーン:小清水亜美
ラ・グー:子安武人
・劇場版『Gのレコンギスタ IV』「激闘に叫ぶ愛」:2022年7月22日(金)より全国ロードショー中
・劇場版『Gのレコンギスタ V』「死線を越えて」:2022年8月5日(金)より全国ロードショー中
【メインスタッフ】
総監督・脚本:富野由悠季
原作:矢立 肇、富野由悠季
演出:吉沢俊一(IV、V)、進藤陽平(IV)
キャラクターデザイン:吉田健一
メカニカルデザイン:安田 朗、形部一平、山根公利
デザインワークス:コヤマシゲト、西村キヌ、剛田チーズ、内田パブロ、沙倉拓実、倉島亜由美、桑名郁朗、中谷誠一
美術監督:岡田有章、佐藤 歩
色彩設計:水田信子
ディスプレイデザイン:青木 隆
CGディレクター:藤江智洋
撮影監督:脇 顯太朗
編集:今井大介
音楽:菅野祐悟
音響監督:木村絵理子
企画・制作:サンライズ
製作・配給:バンダイナムコフィルムワークス
劇場版『Gのレコンギスタ』テーマソングアーティスト:DREAMS COME TRUE
エンディングテーマ:ハセガワダイスケ「カラーリング バイ G-レコ」
【メインキャスト】
ベルリ・ゼナム:石井マーク
アイーダ・スルガン:嶋村 侑
ノレド・ナグ:寿美菜子
マスク:佐藤拓也
クリム・ニック:逢坂良太
マニィ・アンバサダ:高垣彩陽
ラライヤ・マンディ:福井裕佳梨
ミック・ジャック:鶏冠井美智子
バララ・ペオール:中原麻衣
キア・ムベッキ:中井和哉
クン・スーン:小清水亜美
ラ・グー:子安武人
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