「『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』上映＆安彦良和先生トークイベント」1月22日開催【昼の部】アフタートークレポート

展覧会「安彦良和／機動戦士ガンダム THE ORIGIN展」の開催を記念し、1月22日（土）、「『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』上映＆安彦良和先生トークイベント」が開催された。

「『THE ORIGIN』上映＆安彦良和先生トークイベント」は『THE ORIGIN』各話の上映と安彦良和氏のトークショーを行い、本記事では、【昼の部】のアフタートークのレポートをお届けする。
【昼の部】では、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』と『II 哀しみのアルテイシア』を上映。アフタートークには、安彦氏と財前智広氏（ガンダムエース編集部編集長）、MCを務める石井 誠氏が登壇した。
また、「バンドルチケット［イベント限定Tシャツ付き＋展覧会チケット付き］」を購入した人には、「『THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』キービジュアル イベント限定Tシャツ（白）」が配布された。

まず始めに、“勝負服”を着てきたという安彦氏は、今回本作を初めて視聴したという来場者がいることに驚きつつ、「何回見せるんだって叱られるんじゃないかと思っております」と笑い、本作を懐かしんでいる様子を見せた。
続けて、財前氏は「『THE ORIGIN』のガンダムエース連載期間が10年、連載終了から10年経ち、ガンダムエースが20周年を迎えた本年に『THE ORIGIN展』を開催することができ、幸運だったなと思います」と挨拶した。

本展覧会について、安彦氏は今回は何もしてないとし、その理由として「財前君に『あなたは何もしなくていいから、普段通り仕事をしていてください』と言われ、お任せしていました」とコメント。
会場の感想については、並べられた資料のほかにも多数の仕事をこなしていたことを振り返り、「ずいぶん仕事していたんだなぁと思いました」と話す。それを受け、石井氏は「画稿を探したらとんでもない数があったので、その中のごく一部を展示させていただいています」と付け加えた。

財前氏は無事開催に間に合えたことに安堵の表情を浮かべ、原画をどう飾るかという話の流れから、過去編だけの予定であったことを明かす。しかし、会場に足を運んでみるとその広さに驚き、過去編だけでは会場を埋めきれないことから急遽企画を変更し、「一年戦争を最初から最後まで駆け抜けて、映画3本分を一気に見れるという見ごたえにしました」と経緯を話す。

本展覧会の開催決定を聞いたときの心境を尋ねられた安彦氏は、「最初はもう（やらなくて）いいよって言ったんですよね」と返答。続けて、「20年前から10年かけてやった仕事で、終わってから10年も経ってますし、コミックスの売れ行きも落ち着いているようだし、いまさら見たい人なんていないんじゃないの？って思うので、お断りしたんです」と当時の胸中を明かすも、財前氏からの“口説き文句”があったと話す。
財前氏は、「いやいや！（笑）『THE ORIGIN』の連載終了から10年ぐらい経ってますが、重版や新しいファンもいらっしゃいますし、新しい映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』もありますし、まっとうなことを言っただけですよ」と釈明する場面も。

次に、財前氏は、過去に発売された画集が「THE ORIGIN」連載途中のものだったために、本展覧会は「画集の完全版」といえるようなものにしたいという希望があったと語る。石井氏も安彦氏から「画集を出したい」と聞いていたとし、安彦氏は「後半の画集も出さないとかっこ悪いんじゃないの？という風なことは思っていて、口にもしました。ただ、本を作って売るっていうのは、リスクもあるだろうし、あまり強くは言えねぇなと思っていて、まさかこういう形で皆さんの目に触れるとは、ちょっと思ってなかったですね」とコメント。財前氏は表紙イラストやポスター画稿のすべてを収録することが本展覧会の根本にあると説明するも、安彦氏の「正確に言うと人に何点かあげちゃったので無いんです」との一言に会場は驚きに包まれた。

続けて、展示されている多数の原画について、財前氏は安彦氏の書庫から見つけ出したとコメント。「今となっては笑い話なんですけど、1月の頭に安彦さんの画稿を取りに行ったとき、半分ぐらいなくなっていて……。名シーンという名シーンが本当にことごとくなくて、これはどこかの展示会とかに貸し出したやつが見つからないんじゃないかって話になりまして、安彦さん交えて『どこに貸し出したの？』と緊急会議が行われました」と裏話が飛び出す。
その後、展示会に貸し出していたことと返却されていることもわかり、安彦氏は「僕が横着だったから返却されたままの箱で置いてあって、それを発見してもらえて良かった」とハプニングがありつつも、無事開催されたことに一同が胸をなでおろした。

電子書籍「フルカラー版 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」が配信されたことについて、安彦氏はもともとフルカラー化を希望しており、24巻分のカラー化が今年になって終えることができたと話す。「電子書籍として見れるのでそれでいいっちゃいいんですけども、僕は紙派なんでどうしても紙で見てみたいねっていうわがままをときどき言うんです」と紙での出版に希望を見せる。また、紙で描く漫画家は絶滅危惧種だとしながらも、「紙はいいですよ～。って誰に向かって言ってるんだかって話ですけど（笑）」と笑いを誘った。

最後に、財前氏は「漫画の『THE ORIGIN』をもう一度読み直して、アニメ版との違いや本展覧会の仕掛けも感じてもらいながら、2回・3回と来てもらえると嬉しいです」、安彦氏は「『THE ORIGIN』は製作スタッフの協力もあり、本当に気持ち良い仕事をさせてもらいました。自分の仕事の中では非常に好きなんですよ。昔の仕事って下手だったなぁとか荒れてるなぁと思うことがよくあるのですが、『THE ORIGIN』がそんなに悪くないと思うのは、良い環境を作っていただいたからだなと感謝しなければなりません。そういう風にも見ていただければ嬉しいです。どうも今日はご苦労様でした」と締め、本アフタートークは幕を下ろした。

（ガンダムインフォ編集部）

このほか、ところざわサクラタウン本棟2F「ダ・ヴィンチストア」にて、限定グッズ「アクリルブロック」「特大ファブリックポスター」「ショッパー」など多数のアイテムが販売されているので、あわせてチェックしてみよう。

なお、「安彦良和／機動戦士ガンダムTHE ORIGIN展」の会期は3月21日（月・祝）まで。「『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』上映＆安彦良和先生トークイベント」は2月19日（土）にも開催されるほか、「安彦良和先生サイン会＆トークショー」が2月16日（水）に実施される。こちらもお見逃しなく。

■「『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』上映＆安彦良和先生トークイベント」も開催！
『THE ORIGIN』の上映と安彦良和先生をお迎えしたトークイベントが、2月19日（土）にも「昼の部」「夜の部」の2回に分けて開催される。
詳細は、「安彦良和／機動戦士ガンダム THE ORIGIN展」公式サイトのニュースをご覧ください。

■安彦良和先生サイン会＆トークショー
本展覧会の開催を記念して、ところざわサクラタウン本棟2F「ダ・ヴィンチストア」にて、2月16日（水）に、安彦良和氏を招いた「サイン会＆トークショー」を実施。参加には、対象店舗で対象商品購入時に配布される“抽選券”が必要となる。詳細は角川武蔵野ミュージアム公式サイトのニュースをご覧ください。

■電子書籍「フルカラー版 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」
著者：安彦良和／原案：矢立 肇・富野由悠季／メカニカルデザイン：大河原邦男
配信開始日：2022年1月22日（土）

「安彦良和／機動戦士ガンダム THE ORIGIN 展」複製原画 第1弾
種類（全5種）：A／B／C／D／E
価格：各33,000円（税込）
予約受付期間：2022年1月22日（土）～2月21日（月）23:59
商品発送：2022年4月下旬～順次お届け予定
サイズ：［額装］W329×H452×D10mm、［原画］B4（W257×H364mm）
素材：［B4複製原画］紙、［額］木製
※「カドカワストア」内「Newtype Anime Market」限定商品

【販売サイト】
「カドカワストア」内「Newtype Anime Market」