2013年10月11日(金)から13日(日)にかけて、千葉・幕張メッセにて行なわれた第53回 全日本模型ホビーショー2013では、人気アニメの各種イベントが行われ、13日には「機動戦士ガンダムSEED & DESTINY HDリマスター」のスペシャルステージが開催された。
ステージには福田己津央監督とキラ・ヤマト役の保志総一朗さん、バンダイ ホビー事業部の馬場俊明さんがゲストで出演。「SEED & SEED DESTINY」のHDリマスターやガンプラにまつわる、ちょっと濃いめなトークが展開されていった。
現在「機動戦士ガンダムSEED DESTINY HDリマスター」がTOKYO MXにて毎週火曜日の夜10時29分から、BS11にて毎週日曜日夜7時30分から好評放送中。バンダイチャンネルでも毎週金曜日の夜11時から無料ライブ配信中だ。それに連動してガンプラでも「SEED & SEED DESTINY」のキットが続々リリースされている。
▲福田己津央監督
福田: | やり残していることは、ひとつ作品を終えるたびに必ずいろいろあるので、今回『SEED & SEED DESTINY』でHDリマスターとして作り直す機会をいただけたのはすごく幸せなことだと思います。 せっかくなのでいろいろなところに手を入れて、許す限り直しております。『SEED DESTINY』になるとなんだかんだで半分以上は手直ししてますね。 |
通常のリマスターだと、16mmや35mmフィルムの映像をきれいにしてBlu-rayのクオリティーに引き上げるのが通常の作業になる。「SEED & SEED DESTINY」ではシーンによってカットを入れ替えたり、新作カットにしていたり、編集・音楽もなどさまざまなところに手が加えられている。
▲保志総一朗さん
保志: | 当時は、声の部分で制作に関わっていたのですが、HDリマスターではお客さんの目線で楽しんでます。作り手側とお客さんの目線に立てて、ちょっとお得な気分ですね。 『SEED DESTINY』第13話『よみがえる翼』とかも、当時見ていたときよりもHDリマスターだと格段によくなっているんです。キラとラクスの微妙なやりとりとかやっぱりいいですね。 |
馬場さんは「SEED DESTINY」放送当時に出向という形で設定制作に関わり、現在もホビー事業部で「SEED & SEED DESTINY」商品の企画・宣伝を担当している。バンダイのスタッフがアニメの現場に入るのはとても珍しいケースらしい。HDリマスターでは新たにメカ設定が起こされており、それに連動して新商品が続々とリリースされている。『SEED』ではエール・ソード・ランチャーの装備が合体したパーフェクトストライクガンダムがHDリマスターで登場し、HGシリーズで発売中。「SEED DESTINY」ではストライクルージュが大気圏内で飛行できるオオトリ装備となって活躍している。これはMGから発売されたばかりだ。
▲馬場俊明さん
馬場: | HGの商品の際に、パーフェクトストライクは3つの装備を合体させればいいかと思っていたのですが、背中にバッテリーパックという新しい設定が盛り込まれていて、そこで開発陣はかなり苦労していたみたいですね。新しく金型を作りおこなさなきゃならなかったので。 逆にMGエールストライクガンダムVer.RMには最初からバッテリーパックが付いています。リベンジです(笑) |
スクリーンにはパーフェクトストライクやオオトリ装備のストライクルージュの活躍を集めた映像も流れ、福田監督と馬場さんが描いたオオトリ装備の発注時のラフスケッチ、「SEED & SEED DESTINY」の新作ガンプラも紹介されていた。トークはHDリマスター制作時や商品開発でのやりとりなど貴重な話で盛り上がり、ステージは幕を閉じた。
保志: | 『SEED DESTINY リマスター』のBlu-ray BOXにはドラマCDが入っていて、久しぶりにキラを演じられたというのと、最終話からその後を描いているエピソードだったので新鮮でした。 ホッとするような楽しいお話でしたよね。BOX4(2014年3月26日発売)に入るドラマCDはキラがネコの着ぐるみを着るお話だそうです。どういう状況でしょうね(笑)。 BOX特典のオーディオコメンタリーも頑張ります。放送でもキラが大活躍してくれますので見逃せません! |
馬場: | 『SEED & SEED DESTINY』はシリーズが始まってから10年間、バンダイからずっと商品を出しつづけている、かなり珍しい作品なんです。こらからもプラモデルは続くと思いますので皆さん、応援していただければと思います。よろしくお願いします。 |
福田: | 『ガンダムSEED』という企画を始めたときに、実はプラモデルを売ることを念頭に置いたんです。プラモデルがいちばんブレイクしてくれる作品であってほしいという思いを込めて10年前につくってました。先ほど馬場さんがおっしゃっていたように10年間ずっと商品が出てくれているということであるならば、『SEED & SEED DESTINY』はプラモデルの部分ではかなり成功した作品ではないのかなと思っています。 それもスタッフの頑張りと皆さんの応援があって、それに対して自分なりに次のステップへと調整しつづけてきた結果だと思いますので、それが今後も続いてくれることを祈りたいと思います。 |
僕はプラモデル開発側の人間なので、大河原(邦男)さんにデザインを発注するにあたって、監督から上がったラフにメモを追加するのが当時からの僕の役割でした。
商品開発がスムーズに展開できるように、部品の構成やギミックのアイデアをわかりやすくするといった感じです。(馬場)
『SEED DESTINY』第28話でミネルバに特攻したパイロットが馬場さんです(笑)(福田)
商品開発がスムーズに展開できるように、部品の構成やギミックのアイデアをわかりやすくするといった感じです。(馬場)
『SEED DESTINY』第28話でミネルバに特攻したパイロットが馬場さんです(笑)(福田)
当日の保志さんは風邪が治ったばかりだったが、福田監督に「やっぱり石田(彰)君がいないとトークに切れがないね(笑)」と言われつつも、発進時セリフの「キラ・ヤマト、ストライクフリーダム行きます!」を生で披露するというムチャぶりにも健気に応えていた。
(ガンダムインフォ編集部)
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