バンダイ公式のガンプラ作品コンテスト「ガンプラビルダーズワールドカップ2015」(以下 GBWC2015)の世界大会決勝戦が、12月20日(日)に東京・お台場の「ガンダムフロント東京」で開催された。
会場には、13の国と地域の世界20都市で代表決定戦を勝ち抜いた、ジュニアコース11作品とオープンコース13作品の計24作品が一堂に集結。
まず、ファッションモデルにしてガンダム・ガンプラにも造詣が深い市川紗椰さんと、「川口名人」こと、バンダイ ホビー事業部の川口克己氏による「GUNPLAの魅力」と題したスペシャルトークショーが実施された。
はじめに、「世代を超えて愛されているガンプラについてどう思うか?」という質問に対し、川口名人は「昔からガンダムが好きという人と、市川さんのような、いろいろな作品がある中で好きになっていった人がいて、そういう人たちがガンダム全部が好きだよと言ってくれるのが、35年続いた大きな力になっていると思います」と、市川さんは「ガンプラは私より年上で、初めて作ったのはシャアザクでした。ずっと作っているので、自分と一緒に成長している感じです」と、それぞれの立場からガンプラに対しての思いを語った。
また「ガンプラEXPO」で展示された市川さんがカラーリングデザインを行った「クシャトリヤ」についても話がおよび、「キュベレイ色にしました。ハマーン様の魂を成仏させてくれるよう願いを込めて、このカラーリングにしました」とガンダム作品では『機動戦士Ζガンダム』が一番好きだという市川さんらしい話が飛び出した。
さらに「ガンプラのシリーズではMGが一番好きで、今年はMGの百式を作りました。出来栄えについては、会場の作品を見たらまだまだだなと思いましたけど、よい刺激をいただけました」と語り、川口名人からは「海外の方が作るガンプラは発想力が自由ですごい」と本大会の応募作品についての感想も述べられた。
次に、好評放送中のTVシリーズ最新作『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』について話がおよんだ。市川さんは「『鉄血のオルフェンズ』もはまってます。ガンダム・バルバトス買いました!鉄血のガンプラは、作品の世界観的にウェザリングのしがいがありますね」と最新作のガンプラについても熱く語ってくれた。
加えて、市川さんがガンプラの中ではMGシリーズが一番好きであるという話に対し、川口名人から「バルバトスのMGも出したいとは思っているが、MGではすべての設定を盛り込みたいと考えているので、もう少しお待ちください」と、今後の展開にも期待が持てる話が飛び出した。また、「ガンプラは、アーケード『機動戦士ガンダム 戦場の絆』のように自分で作ったガンプラをゲーム内で楽しめるといったものも出てきて、コンテストのように飾って楽しむものとはまた違った楽しみ方を提案していければなと思います」と今後のガンプラのあり方についても語られた。
最後に、ガンプラをどんな時に作るのかという質問について、市川さんは「集中したい時ですね。精神を研ぎ澄ませて作ります。でも、悪い癖でまだ作り終わってないのに新しいのをあけてしまう。作る工程では素組が一番好きで、ヤスリが苦手です」と語ってくれた。
こうして、市川さんと川口名人によるトークショーは幕を下ろした。
そしていよいよ、第5回大会の表彰式がスタートした。
毎回おなじみとなった川口名人と声優の池澤春菜さん司会のもと、まずは株式会社バンダイ 代表取締役社長 川口 勝氏より「GBWCは2011年からスタートし、年々募集が増えている。ガンプラも売れていて、ユーザー数が推定400万人以上いて、今日ここにはその頂点の方々が集まっている。応募作品はどれも想像力に富んだものばかりで、今回はジュニア部門の応募も増え、ユーザーの裾野が広がっていっていることがうれしい。今後もGBWCが続いていくように頑張っていきますので、皆さんにはガンプラを作る文化を引き継いでいってほしい」と挨拶が行われた。
その後、第5回大会となる「GBWC2015」のジュニアコースとオープンコースそれぞれの入賞作品が発表された。それでは、「シャア専用オーリスII賞」、「ガンダムVISAカード賞」の協賛企業による特別賞とともに、早速紹介していこう。
■ ジュニアコース(14歳以下)
【第3位】OPERATION DESERT STORM(オペレーション デザート ストーム)
製作者:Natcha Waiphimai(ナチャ ワイピマイ) / タイ
製作者からのコメント:本日はこのような賞をいただき、ありがとうございます。
製作者:Natcha Waiphimai(ナチャ ワイピマイ) / タイ
製作者からのコメント:本日はこのような賞をいただき、ありがとうございます。
【第2位】THE LAST SHOOTING(ラスト シューティング)
製作者:May Hata(畑 めい) / 日本
製作者からのコメント:去年も2位で、2回も壇上に上がれるとは思わなかったので嬉しい。
製作者:May Hata(畑 めい) / 日本
製作者からのコメント:去年も2位で、2回も壇上に上がれるとは思わなかったので嬉しい。
【チャンピオン(第1位)】Build Fighters Season 3(ビルド ファイターズ シーズンスリー)
製作者:Cornelius Caesar Widjaja(コーネリアス シーザー ウィジャジャ) / インドネシア
製作者からのコメント:とても嬉しいです!
製作者:Cornelius Caesar Widjaja(コーネリアス シーザー ウィジャジャ) / インドネシア
製作者からのコメント:とても嬉しいです!
「今年はどれも発想力がすごい。1位の作品は工作技術、塗装技術がすべて高次元でまとめられていて素晴らしかった。2位は奥行を使った空間の見せ方がすばらしい。3位はベアッガイさんを使ってのアイデアと想像力が素晴らしく、そこを評価しました。今年のジュニア部門は入賞2作品が女性のもので、ガンプラが男女問わず楽しめるものになってきたのだなと感じました」
(バンダイ ホビー事業部 安永亮彦氏)
■ オープンコース(15歳以上)
【第3位】The Angel(ジ エンジェル)
製作者:Ho Yick Yin(ホー イック イン) / マレーシア
製作者からのコメント:とてもうれしいです!
製作者:Ho Yick Yin(ホー イック イン) / マレーシア
製作者からのコメント:とてもうれしいです!
【第2位】NIGHTINGALE(Long Distance Support Type)(ナイチンゲール (ロング ディスタンス サポート タイプ))
製作者:Ng Siu Wai(ンー ショ ワイ) / 香港
製作者からのコメント:とてもうれしいです。ありがとうございます。
製作者:Ng Siu Wai(ンー ショ ワイ) / 香港
製作者からのコメント:とてもうれしいです。ありがとうございます。
【チャンピオン(第1位)】ANOTHER LATE NIGHT(アナザー レイト ナイト)
製作者:Vichayuth Eiam-Ong(ヴィチャユス エイアム‐オン) / タイ
製作者からのコメント:このような賞をいただけて非常に嬉しく思います。とても興奮しています。ありがとうございます。
製作者:Vichayuth Eiam-Ong(ヴィチャユス エイアム‐オン) / タイ
製作者からのコメント:このような賞をいただけて非常に嬉しく思います。とても興奮しています。ありがとうございます。
「まず、1位の作品に関して、一言でいうとガンプラを芸術作品に昇華させた作品だと言えます。どこから見回しても完成度が高い。2位は、昨今のトレンドであるベースキットに情報量を足していく作品ではあるが、その中でもディテールの精度などセンス、クオリティがとても高い。3位は自分の世界観をすごく持っていると思った。スクラッチで作成したフェイスパーツなどが、世界観を構成するために効果的に使われている」
(ホビージャパン編集部 編集長 木村 学氏)
「今年もどれも素晴らしい作品ばかりで甲乙つけがたい。審査には、時に減点法で審査しなくてはならないときがある。しかし、1位の作品には工作、塗装、アイデア、構図のどこをとっても減点をする要素がない。細かいところにもアイデアが満載で、何時間でも見ていられる。
2位と3位はファンタジー系の作品で、いずれも工作に優れ、ビジョンが素晴らしい。誰が見ても納得の3作品だと思います」
(モデルグラフィックス編集部 編集長 古屋智康氏)
■ 協賛企業による特別賞
【シャア専用オーリスII賞】NIGHTINGALE(Long Distance Support Type)(ナイチンゲール (ロング ディスタンス サポート タイプ))
製作者:Ng Siu Wai(ンー ショ ワイ) / 香港
ジオニックトヨタからのコメント:バーニア類の作り込みの精緻さに加え、これだけの質感を表現できる技術とセンスを高く評価します。(※オープンコース2位と同作品です)
製作者:Ng Siu Wai(ンー ショ ワイ) / 香港
ジオニックトヨタからのコメント:バーニア類の作り込みの精緻さに加え、これだけの質感を表現できる技術とセンスを高く評価します。(※オープンコース2位と同作品です)
【ガンダムVISAカード賞】RX 93 Gesshoku ‐Lunar Eclipse(アールエックス ナインティスリー ゲッショク ‐ルナ イクリプス)
製作者:Riccardo Forni(リカルド フォルニ) / イタリア
三井住友カード株式会社からのコメント:MSのもつ重厚感、躍動感がバランスよく表現されており、見るものに強いインパクトを与える。
製作者:Riccardo Forni(リカルド フォルニ) / イタリア
三井住友カード株式会社からのコメント:MSのもつ重厚感、躍動感がバランスよく表現されており、見るものに強いインパクトを与える。
ガンプラ35周年の記念の年に開催された今回の「GBWC2015」は、高い製作技術や塗装技術はもちろんのこと、作品に込められたオリジナリティや独自の世界観が追及された、非常にハイレベルなコンテストとなった。
さらに、表彰式の最後には、2016年にも「ガンプラビルダーズワールドカップ2016」が開催されることも発表された。ぜひとも今年出品された作品たちをじっくりとチェックして、来年エントリーする作品のアイデアを今から練っておこう。
▲左から池澤春菜さん、川口 勝氏、Cornelius Caesar Widjaja氏、Vichayuth Eiam-Ong氏、市川紗椰さん、川口名人。
また、東京・お台場の「ガンダムフロント東京」内ガンプラTOKYOでは、各国の代表作品が2016年1月6日(水)まで展示されることが決定したので、ぜひとも足を運んでみよう。
(ガンダムインフォ編集部)
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