新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
【OVA】全3話 1997年1月25日~1997年7月25日発売
【特別篇】1998年8月1日公開
ストーリー
コロニー国家群と地球を巻き込んで行われた大規模な戦乱が終結し、新たにコロニーと地球勢力を集約した地球圏統一国家が設立されたA.C.(アフター・コロニー)196。統一国家は非武装・非暴力思想による和平実現を目指していたが、戦乱終結からちょうど一年が経ったA.C.196のクリスマス・イヴ、外交官として活躍していたリリーナ・ピースクラフトがX18999コロニーで拉致されてしまう。リリーナを拉致したのは、トレーズの娘を名乗るマリーメイア・クシュリナーダをリーダーとする反乱軍であった。マリーメイアは統一国家に対して蜂起を宣言し、MS・サーペントと資源衛星MO-IIIを使った「オペレーション・メテオ」を実行に移す。これに対し、統一国家の諜報機関プリベンターと、ヒイロ・ユイ、デュオ・マックスウェルら、前大戦で戦乱の終結に貢献したガンダムのパイロットたちが再び立ち上がる――。
スタッフ
[企画]サンライズ
[原作]矢立 肇、富野由悠季(『機動戦士ガンダム』より)
[脚本]隅沢克之
[キャラクターデザイン]村瀬修功
[メカニカルデザイン]大河原邦男、カトキハジメ、石垣純哉
[衣装デザイン協力]出渕 裕
[美術監督]佐藤 勝
[音楽]大谷 幸
[監督・絵コンテ]青木康直
【特別篇】
[企画・製作]サンライズ
[製作]吉井孝幸
[企画]植田益朗、渡辺 繁
キャスト
[ヒイロ・ユイ]緑川 光
[デュオ・マックスウェル]関 俊彦
[トロワ・バートン]中原 茂
[カトル・ラバーバ・ウィナー]折笠 愛
[張五飛(チャン・ウーフェイ)]石野竜三
[リリーナ・ドーリアン(リリーナ・ピースクラフト)]矢島晶子
[レディ・アン]紗ゆり
[サリィ・ポォ]冬馬由美
[ルクレツィア・ノイン]横山智佐
[火消しの風・ウインド]子安武人
[デキム・バートン]依田英助
[マリーメイア・クシュリナーダ]佐久間レイ
キャラクター
ヒイロ・ユイ
「オペレーション・メテオ」参加メンバーで、A.C.195の大戦終結後は単独で行動していた。だが、リリーナが誘拐されたとの情報を知り、統一国家の諜報機関プリベンターに協力。デュオらと共にリリーナの奪還を目指した。
デュオ・マックスウェル
「オペレーション・メテオ」で地球に降下したガンダムパイロットの一人。マリーメイア軍が実行に移した真の「オペレーション・メテオ」と呼ばれる地球侵攻作戦に抵抗するため、ヒイロやカトルたちと共闘する。
トロワ・バートン
A.C.195の戦乱終結後はサーカス団の花形メンバーとして活躍していたが、X18999コロニーで興業を行った際、マリーメイア軍の存在を知る。その後、反乱軍にMSパイロットとして潜入し、その動向を探っていた。
カトル・ラバーバ・ウィナー
前大戦に参加したガンダムパイロットの一人。地球圏統一国家の完全平和主義に賛同し、ヒイロ、デュオ、トロワと共に太陽に向けてガンダムを放棄した。だが、マリーメイア軍の反乱を知り、ガンダムの回収に向かう。
張五飛(チャン・ウーフェイ)
前大戦ではヒイロたちと共に「G」チームの一員として戦ったが、地球圏統一国家が掲げる非武装・非暴力主義に疑問を持ち、反乱軍に参加した。そして反乱軍の鎮圧を狙うヒイロたちと敵対することとなる。
リリーナ・ドーリアン(リリーナ・ピースクラフト)
完全平和主義を掲げたサンクキングダムの出身で、地球圏統一国家では外交官として非武装・非暴力主義の伝播に尽くしている。X18999コロニーを訪問した際、マリーメイア軍に身柄を拉致されてしまう。
レディ・アン
地球圏統一国家の諜報機関として設立された「プリベンター」のリーダーとして、統一国家内の治安維持を担当している。マリーメイア軍の反乱を鎮圧するため、ガンダムを所有するヒイロらに共闘を呼びかけた。
サリィ・ポォ
「プリベンター」の一員であり、レディやノインと共に反政府勢力の監視と治安維持を担当していた。彼女が資源衛星MO-IIIから多量のネオ・チタニュウム合金を発見したことで、反乱軍の主力機・サーペントの存在が明らかとなった。
ルクレツィア・ノイン
元OZのMSパイロットであり、前大戦終結後は「プリベンター」に加入した。統一国家の治安維持に尽力する傍らで、前大戦時に生死不明となっていたゼクス・マーキスの帰還を誰よりも待ち望んでいた。
火消しの風・ウインド
前大戦で生死不明となっていたMSパイロットで、マリーメイア軍の蜂起後、レディの前に突如姿を現した。「プリベンター」に参加後は、愛機トールギスIIIを駆り、マリーメイア軍との戦闘に臨む。
デキム・バートン
バートン財団の当主であり、真のオペレーション・メテオを実行することで世界の主導権を握ろうとしていた。そのためにトレーズの娘であるマリーメイアを指導者として養育し、自らは影で実行部隊を操っていた。
マリーメイア・クシュリナーダ
トレーズ・クシュリナーダの娘を名乗るマリーメイア軍のリーダーで、地球圏統一国家に宣戦布告を宣言した少女。デキムからリーダーとなるための洗脳教育が施されており、その態度は尊大なものとなっていた。
メカニック
XXXG-00W0 ウイングガンダム0(ゼロ)
ヒイロが運用したガンダニュウム合金製のMSで、背部に高機動バーニア兼、機体制御パーツとして機能する大きな羽根を持つのが特徴。主武装であるツインバスターライフルは、一度の発射でコロニーを破壊するほどの威力を持つ。
XXXG-01D2 ガンダムデスサイズヘル
潜入行動などに長けたガンダムで、デュオの乗機。カメラやレーダーを無効化するハイパージャマーによってステルス性能を、開閉式の特殊アクティブクロークによって高い防御性を獲得している。主武装は鎌状兵器ビームシザース。
XXXG-01H2 ガンダムヘビーアームズ改
砲撃戦タイプのガンダムで、ダブルガトリングガンやミサイルランチャーなど、多数の火器を備えている。パイロットであるトロワ・バートンの意向により、顔の右半分にピエロの仮面が取り付けられている。
XXXG-01SR2 ガンダムサンドロック改
カトルが乗機として運用した機体で、近接戦闘に特化している。主武装は大型の曲刀ヒートショーテルで、2刀流で扱うことで複数の敵を撃破することができる。また、肩部の追加装甲と耐ビームマントによって優れた防御力を持つ。
XXXG-01S2 アルトロンガンダム
パイロットの張五飛が「ナタク」と愛称を付けていた機体。先端に火炎放射器を設置した伸縮自在の腕部ドラゴンハングや、格闘兵器ツインビームトライデントによって高い戦闘力を有している。
OZ-00MS2B トールギスIII
火消しの風・ウインドが運用していたOZ製MS。トールギスIIと同時期に完成していたとされる機体で、その後プリベンターが保管していた。大型スラスターを備えた高機動タイプで、砲撃にも格闘にも対応する。
MMS-01 サーペント
マリーメイア軍が主力機として運用していたネオ・チタニュウム合金製のMS。ミサイルランチャー、ダブルガトリングガンを駆使した砲撃戦を得意とする。そのほか、バズーカやビームキャノンを装備することも可能である。
作品解説
1995年に放送されたTVシリーズ『新機動戦記ガンダムW』の続編。1997年にOVAシリーズとしてリリースされ(全3話)、1998年にはOVA版に新作カットを追加した劇場版『特別篇』が公開された。
TVシリーズから一年が経過した世界を舞台に、マリーメイア率いる反乱軍と地球圏統一国家との軍事衝突を描いている。TV版同様、ケレン味溢れる演出が各所に盛り込まれただけでなく、五飛の反乱軍参加や前大戦で生死不明となっていたMSパイロットの復活など、ファンにはたまらない展開が随所に散りばめられている。またTVシリーズ版からの大きな変更点として、ガンダム5機のデザインがメカデザイナー・カトキハジメによって完全にリファインされているのも見所のひとつ。中でも背部に羽根を持つウイングガンダム0(ゼロ)の斬新なフォルムは、『ガンダムW』を象徴する機体として現在でも高い人気を誇る。
世界観
A.C.195に勃発した戦乱は、世界を滅亡寸前に追い込む大規模なものとなった。その反省に立ち、人類は非武装・非暴力思想を掲げる地球圏統一国家を新たに設立、コロニー、地球勢力から武力を排除しようとしたのである。A.C.195の戦乱でガンダムを運用していた少年たちも、統一国家の方針に従い、反乱軍に参加していた五飛を除いてガンダムを放棄する道を選んでいた。だが、非武装による世界に賛同しない勢力が存在していたため、統一国家大統領は、諜報機関として「プリベンター」を設立。プリベンターは密かにMSを保有し、有事に備えていたのである。
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